【恋愛経験ゼロからの婚活記録】素敵なパートナーに出会うまで

低収入で出会いのない現実から将来への不安を感じて婚活を考える

私が婚活をしようと決意をしたのは、将来への不安を感じたからである。

私は自分でいうのも情けない話しだが、私は結婚できなくても将来、一人で暮らしていけるほどの収入がある。と言えないほどの低収入であった。年収二百万未満どころではない。年収で五十万にも満たないバイトで日銭を稼ぐ小説家志望のフリーターだ。定職についているわけでもなく、たとえ小説家になったところでそれですぐに食べていける。と、いう保証もなければずっとそうやって生きていくことができる。と、いう根拠もない仕事であった。そのことから、私は不安に襲われた。

年収五十万未満の私が、生活ができているのは一重に両親と同居をしているからだ。二十歳を超えても扶養家族であり、私が稼いだ金額は一部を除けば私が好きに使うことができる。そのために、私は致命的な苦労をせずに小説家になるのを夢見ながら生活ができていた。だが、その生活がいつまでもできるという保証はない。あと十年もたたないうちには父も定年退職する。そうなれば、いつまでも親のすねをかじっているわけにはいかない。

さらにいうならば、私の父方の祖母である。ここ近年になり母方の祖母は一気に老化が進んでいた。腰を痛めてベッドで一日の大半を過ごすようになった。その祖母の介護を仕事で忙しい父のかわりにしていた。それを、見ているといずれは私の両親も介護が必要になるのだろうとわかる。だが、介護というのはお金がかかるし時間もかかる。私は長女であり、おそらく両親の面倒を見るとしたらもっとも面倒をみなければならないはずだ。だが、一人暮らしでたとえ小説家に慣れたとしても一人で両親の介護ができる。と、自信をもって言うことはできなかった。

何より、私も結婚をしたい。子供が欲しい。と、いう願望があった。人並程度の生活ができて夫がいて子供がいる。こうして人並程度の生活をしたい。そういう望みがあったのだ。つまり、総じていえば将来や私自身の望み。一生を一緒に行きたいと思える相手が欲しい。孤独が怖いという思いがあった。いずれ両親は死ぬだろうし、いつまでも一緒に暮らしていくわけにもいかない。一緒に暮らしている妹二人もいずれは独り立ちをして一人暮らしをする可能性も高い。それは嫌だと思ったのだ。ずっと一人での生活をするのは怖い。誰かと、笑って誰かと会話をする。そんな笑顔がある生活をしたい。そういう望みを考え、結婚をしたいと思ったのだ。

結婚をしたい。そう思ったところで、私にはまず結婚を考えることができる相手は居なかった。あいにくと、私の生活は家で賞に応募するために小説を書く。あるいは、家事の手伝いをしたりする。あるいは、バイトをする。と、いう生活をしていた。つまり、私の生活範囲は狭かった。さらに、私のバイト先はアイスクリームショップであった。仕事先にいるのは、大半が女性でありさらにいうなら学生か主婦ばかりであった。たとえ、異性が居たとしても大学生のバイトである。私が結婚をしたいと思えるような相手はいなかった。

そのために、恋人どころか親しい異性というのは居なかった。身近な異性といえば、父だけであったがあいにくと恋愛対象外だ。かといって、その環境で間違いなく持てるとは言えないのが私だった。

何しろ、私は顔がよいわけでもなければ家がとても裕福というわけではない。家柄や地位というので結婚相手が見つかるというわけではない。結婚で売りにできることといえば、思いつく限りは若さだった。また、母が結婚したのはちょうど、二十四歳のころであった。もうすぐ、二十四歳ということも手伝い婚活を決めたのだった。